幸せになろう
第10話 不信感
慎一の怒りは並大抵のものじゃなかった。天上界に殺されかけたのだ。
あれから、エレーナとは全く口を利かなくなった。
持田夏穂が心配して訪ねて来た。
「お兄ちゃん、大丈夫? エレーナさんから全部話は聞いたよ」
「ごめん。今は誰とも話したくないんだ。それにエレーナからも聞いただろう?
今の俺は、すごく危険な状態なんだ」
「お兄ちゃん……」
一方その頃天上界では、今後の対策が話し合われていた。
幹部達はもちろん、ジェシー、エレーナ、そして多くの天使達が集まっている。
「これを御覧下さい。これは、宮原慎一のマイナスエネルギーの状態を示したものです」
イザべラ幹部は、慎一のマイナスエネルギー値データーをスクリーンに表示させる。
「こっ、これは、以前よりかなり大きくなっている」
ジェシーは愕然とした。会議室がざわついた。
「私達の軽率な行為により、慎一の激しい不信感を買い、
その結果、彼のマイナスエネルギーをかえって巨大化させてしまいました。
既に慎一のマイナスエネルギーは、彼の中に収まる範囲の限界に達しており、
いつ暴走してもおかしくありません。
こうなった責任は、私達天上界にあります。
私達は、誰一人傷つけずに慎一を救わなくてはなりません。
そして、何としてもマイナスエネルギーの暴走をくい止めなければなりません」
居合わせた一同に動揺が広がった。
「このことは、慎一さんに伝えたほうがよいでしょうか?」
エレーナは、本人に話すべきか悩む。
「それは、言わないほうがいいわね。今の慎一は、非常に不安定です。
余計な事を言えば、彼が自暴自棄になる可能性があります。
そうなれば、マイナスエネルギーは、さらに危険な状態になりかねません」
イザべラ幹部は慎重な対応を即す。
「じゃあどうすれば……」
ジェシーは焦る。
「マイナスエネルギーは、自己防衛しようとします。
私達に反発したのは、そのためです。
それを抑えるには、慎一自身がマイナスエネルギーの浄化を強く願うしかありません。
そして私達を心から受け入れることです。
そうすれば、マイナスエネルギーは私達に反発せずに浄化されます。
そのためには、彼を説得する必要があります。
しかし、今の彼が私達の声に耳を傾けるかどうか……」
イザべラ幹部は顔色を曇らせた。
斉木綾香も慎一を心配して来た。
「エレーナと全く口を利いていないそうだね。
あれから、エレーナとは全く口を利かなくなった。
持田夏穂が心配して訪ねて来た。
「お兄ちゃん、大丈夫? エレーナさんから全部話は聞いたよ」
「ごめん。今は誰とも話したくないんだ。それにエレーナからも聞いただろう?
今の俺は、すごく危険な状態なんだ」
「お兄ちゃん……」
一方その頃天上界では、今後の対策が話し合われていた。
幹部達はもちろん、ジェシー、エレーナ、そして多くの天使達が集まっている。
「これを御覧下さい。これは、宮原慎一のマイナスエネルギーの状態を示したものです」
イザべラ幹部は、慎一のマイナスエネルギー値データーをスクリーンに表示させる。
「こっ、これは、以前よりかなり大きくなっている」
ジェシーは愕然とした。会議室がざわついた。
「私達の軽率な行為により、慎一の激しい不信感を買い、
その結果、彼のマイナスエネルギーをかえって巨大化させてしまいました。
既に慎一のマイナスエネルギーは、彼の中に収まる範囲の限界に達しており、
いつ暴走してもおかしくありません。
こうなった責任は、私達天上界にあります。
私達は、誰一人傷つけずに慎一を救わなくてはなりません。
そして、何としてもマイナスエネルギーの暴走をくい止めなければなりません」
居合わせた一同に動揺が広がった。
「このことは、慎一さんに伝えたほうがよいでしょうか?」
エレーナは、本人に話すべきか悩む。
「それは、言わないほうがいいわね。今の慎一は、非常に不安定です。
余計な事を言えば、彼が自暴自棄になる可能性があります。
そうなれば、マイナスエネルギーは、さらに危険な状態になりかねません」
イザべラ幹部は慎重な対応を即す。
「じゃあどうすれば……」
ジェシーは焦る。
「マイナスエネルギーは、自己防衛しようとします。
私達に反発したのは、そのためです。
それを抑えるには、慎一自身がマイナスエネルギーの浄化を強く願うしかありません。
そして私達を心から受け入れることです。
そうすれば、マイナスエネルギーは私達に反発せずに浄化されます。
そのためには、彼を説得する必要があります。
しかし、今の彼が私達の声に耳を傾けるかどうか……」
イザべラ幹部は顔色を曇らせた。
斉木綾香も慎一を心配して来た。
「エレーナと全く口を利いていないそうだね。