幸せになろう
「あの、姉さんはどうやって生き返ったの? ずっと一人だったって言ってたよな。どこに住んでいたの?」
慎一は勇気を持ってこう切り出してみた。
「それは……」
そう言いかけて言葉が途切れた。
「どうしても知りたい?」
「うん」
「話してもいいけど、落ち着いて聞くのよ」
さやかは静かに話し始めた。
「実は私、天上界にいたの」
「えっ?」
「天上界に巨大樹があるの。
巨大樹は、新たな天使達を産み出し、私達にさまざまな力を与える。
私は、その巨大樹の力で生まれ変わった。
だから、今の私は天使。
どうしてそうなったのかは、分からないけど、巨大樹の意志らしい。
でも人間が死後、天使として甦ることは非常にまれなことなの。
天使達の話によると、清く正しい心を持った人間の中から、さらにごく一部の
人が、死後、天使になることがあるらしいの。
天上界でも元人間の天使には、めったに会えないわ。
なぜか私が、巨大樹によって選ばれた」
そしてさやかは、しまっていた背中の羽を開いてみせた。
エレーナと同じ、光輝く白い天使の羽……
いったいどうなっているんだ?驚愕の慎一。
「天上界の天使が何しに来た!
そうか、わかったぞ。姉さんは、天上界のさしがねだろう?
天上界は、誰かに姉さんを生き返らせてくれとでも願わせたんだろう。
あんた、幹部の命令で俺を説得するように言われたんだろう。
天上界の連中、そこまでするか!」
激しく声を荒らげた。
「慎一怒らないで。落ち着いて。
幹部達から、貴方がこんなことになっていると聞かされたときは、ショックだった。
確かに、幹部達から貴方を説得するように言われたのも事実よ。
でも、これは命令じゃない。
私は、自分の意志で貴方を助けたいからここに来たの。
それだけは、分かって」
さやかの説得は、かえって慎一を怒らせた。
見かねたエレーナが会話に割り込んだ。
「さやかさんは悪くありません。。
実は、さやかさんを慎一さんに会わせようとしたのは、私なのです」
「エレーナ、どういうことだ!」
「私、慎一さんが毎日お姉さんの写真に話し掛けるのをひそかに見ていたんです。
でも、その写真を見て驚きました。
私は、2~3年前、天上界で写真そっくりな天使を見かけていたのです。
一度っきりの偶然でした。
ジェシーさんに頼んで調べてもらったら、それがさやかさんだったんです。
さやかさんだったら慎一さんを説得できるかもしれない、
慎一は勇気を持ってこう切り出してみた。
「それは……」
そう言いかけて言葉が途切れた。
「どうしても知りたい?」
「うん」
「話してもいいけど、落ち着いて聞くのよ」
さやかは静かに話し始めた。
「実は私、天上界にいたの」
「えっ?」
「天上界に巨大樹があるの。
巨大樹は、新たな天使達を産み出し、私達にさまざまな力を与える。
私は、その巨大樹の力で生まれ変わった。
だから、今の私は天使。
どうしてそうなったのかは、分からないけど、巨大樹の意志らしい。
でも人間が死後、天使として甦ることは非常にまれなことなの。
天使達の話によると、清く正しい心を持った人間の中から、さらにごく一部の
人が、死後、天使になることがあるらしいの。
天上界でも元人間の天使には、めったに会えないわ。
なぜか私が、巨大樹によって選ばれた」
そしてさやかは、しまっていた背中の羽を開いてみせた。
エレーナと同じ、光輝く白い天使の羽……
いったいどうなっているんだ?驚愕の慎一。
「天上界の天使が何しに来た!
そうか、わかったぞ。姉さんは、天上界のさしがねだろう?
天上界は、誰かに姉さんを生き返らせてくれとでも願わせたんだろう。
あんた、幹部の命令で俺を説得するように言われたんだろう。
天上界の連中、そこまでするか!」
激しく声を荒らげた。
「慎一怒らないで。落ち着いて。
幹部達から、貴方がこんなことになっていると聞かされたときは、ショックだった。
確かに、幹部達から貴方を説得するように言われたのも事実よ。
でも、これは命令じゃない。
私は、自分の意志で貴方を助けたいからここに来たの。
それだけは、分かって」
さやかの説得は、かえって慎一を怒らせた。
見かねたエレーナが会話に割り込んだ。
「さやかさんは悪くありません。。
実は、さやかさんを慎一さんに会わせようとしたのは、私なのです」
「エレーナ、どういうことだ!」
「私、慎一さんが毎日お姉さんの写真に話し掛けるのをひそかに見ていたんです。
でも、その写真を見て驚きました。
私は、2~3年前、天上界で写真そっくりな天使を見かけていたのです。
一度っきりの偶然でした。
ジェシーさんに頼んで調べてもらったら、それがさやかさんだったんです。
さやかさんだったら慎一さんを説得できるかもしれない、