幸せになろう
慎一は、新たに加わった天使達とも仮契約をし、浄化を願った。
浄化には、さらに時間を費やした。だが、次々と力尽きていく天使達。
やがてジェシーが座り込んだ。
「ジェシー・クリスタル、貴方は十分役目を果たしました。帰って休みなさい」
「いいえ、私はやります」
イザべラ幹部は、ジェシーに休むよう即す。だがジェシー作業をやめる気はない。
そんなジェシーを見ていた慎一は、
「みんな俺のせいだ。俺がもっとしっかりしていれば……」
ひどく自分を責めた。
「慎一、お前は何も悪くない。だから自分を責めるな。
お前のマイナスエネルギーをさらに巨大化させてしまったのは私のせいでもある。
だから、イザべラ幹部、最後までやらせて下さい」
責任感の強いジェシーは、無理に作業を続けようとした。
「でもこれ以上無理をしたら、貴方の命が」
イザべラ幹部はジェシーのことを心配する。
「イザベラ幹部、ジェシー、俺のマイナスエネルギーがさらに巨大化したというのは
どういうことだ?」
「一部の幹部達の命令により、私はお前を抹殺しようとした。
それがお前の天上界に対する不信を高め、マイナスエネルギーをさらに巨大化させてしまったのだ」
ジェシーの話に愕然とする慎一。
「どうしてそんな大事なことを隠していたんだ!」
「ジェシー、もうしゃべらないで。貴方は、帰って休みなさい。
私が説明します。
貴方は、幹部達に殺されそうになった後、かなり精神的に不安定になりました。
本当の事を伝えれば、貴方は自暴自棄になり、マイナスエネルギーはいつ爆発してもおかしくない。
だから、貴方の気持ちが安定するまでは、黙っていようって私の判断で決めたのです。
決して隠していた訳ではありません。
いずれその時期が来れば、本当の事を話すつもりでした」
イザべラ幹部が謝る。
さらに、援軍が派遣されてきた。
「皆さん、大変でしょうが最後まで頑張って下さい。
マイナスエネルギーは、少しづつ確実に小さくなっています」
イザべら幹部は、天使達を励ました。浄化作業は夜になっても続けられた。
「皆さん、あと少しでマイナスエネルギーは、完全に消滅します。
最後まで力を振り絞って頑張って下さい」
そして夜が明けた。
慎一は、自分の気持ちが少しづつ軽くなっていくのを感じた。
やがて、天使達が慎一にかざした手を下げた。
「慎一、皆さん、これでマイナスエネルギーは、完全に消滅しました。大変な任務ご苦労でした」


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