幸せになろう
第13話スピリット「残留思念」
一人の天使が、人間界に舞い降りた。
彼女の名は、サラ・シンフォニー。
「久しぶりの人間界、街並みは以前とちっとも変わっていない。
あれは、私が住んでいた家。ちょっと行ってみよう」
彼女は、元実家に降り立った。
「私の部屋、懐かしいな。お母さん、ずっとそのままにしていてくれたんだ」
廊下で足音がした。
「まずい、誰か来る」
彼女は姿を消して隠れた。
ドアが開いて誰か入って来た。
「あれは、お母さん!」
「サラが逝ってからもう二年以上経つのね」
独り呟きながら、戻る事もない娘の部屋を手入れする。
サラは今すぐ母に抱きつきたい気持ちをこらえた。
「お母さん、ただいまって言いたい。でもそれはまずいよね、ごめんね、お母さん」
サラは、やや重い気持ちで実家を離れた。
しばらく飛んでいると、彼女が通った高校が見えてきた。
「あれは、私が卒業した高校、あそこも行ってみよう」
人に姿を見られないようにしながら、校舎内を回った。
「私、三年間ここに通ったのよね。あっ、図書館、よく本の整理したっけ。
音楽室、よくここでピアノ弾いたな。職員室、懐かしい先生達がいっぱいいる。
あれもこれも私がいた頃とちっとも変わっていない」
彼女は屋上に行った。
「うーん、やっぱり屋上は風が心地いい」
しばらく屋上で休憩した。
それから、グランドでクラブ活動する生徒達に目をやりながら、彼女は静かに飛び立った。
ある家のそばまで来た。
「あっ、あれは、宮原慎一さん宅では?
エレーナさんにも会いたいし、ちょっと寄っていこうかな」
サラは、屋根を通り抜けて宮原宅に入った。どこでも通り抜けられる天使の能力だ。
宮原慎一宅、斉木綾香が遊びに来ている。
「宮原君、マイナスエネルギーが浄化出来て本当によかったね」
「ああ、一時はどうなるかと思った」
「エレーナも宮原君と仲直り出来てよかったね」
「はい、ありがとうございます」
久しぶりの平和なひと時、自然と会話が弾む。
「それにしても、さやかさんが天使になっていたなんて驚きだよ」
綾香は、いまだに信じられない様子。
「私も最初、自分でも信じられなかったのよ。今は、もう慣れたけどね」
「こんにちは、エレーナさんいる?」
「あっ、サラさんお久しぶりです」
再会の挨拶を交わすサラとエレーナ。
「誰? エレーナの知り合いか?」
慎一が二人の関係を尋ねる。
彼女の名は、サラ・シンフォニー。
「久しぶりの人間界、街並みは以前とちっとも変わっていない。
あれは、私が住んでいた家。ちょっと行ってみよう」
彼女は、元実家に降り立った。
「私の部屋、懐かしいな。お母さん、ずっとそのままにしていてくれたんだ」
廊下で足音がした。
「まずい、誰か来る」
彼女は姿を消して隠れた。
ドアが開いて誰か入って来た。
「あれは、お母さん!」
「サラが逝ってからもう二年以上経つのね」
独り呟きながら、戻る事もない娘の部屋を手入れする。
サラは今すぐ母に抱きつきたい気持ちをこらえた。
「お母さん、ただいまって言いたい。でもそれはまずいよね、ごめんね、お母さん」
サラは、やや重い気持ちで実家を離れた。
しばらく飛んでいると、彼女が通った高校が見えてきた。
「あれは、私が卒業した高校、あそこも行ってみよう」
人に姿を見られないようにしながら、校舎内を回った。
「私、三年間ここに通ったのよね。あっ、図書館、よく本の整理したっけ。
音楽室、よくここでピアノ弾いたな。職員室、懐かしい先生達がいっぱいいる。
あれもこれも私がいた頃とちっとも変わっていない」
彼女は屋上に行った。
「うーん、やっぱり屋上は風が心地いい」
しばらく屋上で休憩した。
それから、グランドでクラブ活動する生徒達に目をやりながら、彼女は静かに飛び立った。
ある家のそばまで来た。
「あっ、あれは、宮原慎一さん宅では?
エレーナさんにも会いたいし、ちょっと寄っていこうかな」
サラは、屋根を通り抜けて宮原宅に入った。どこでも通り抜けられる天使の能力だ。
宮原慎一宅、斉木綾香が遊びに来ている。
「宮原君、マイナスエネルギーが浄化出来て本当によかったね」
「ああ、一時はどうなるかと思った」
「エレーナも宮原君と仲直り出来てよかったね」
「はい、ありがとうございます」
久しぶりの平和なひと時、自然と会話が弾む。
「それにしても、さやかさんが天使になっていたなんて驚きだよ」
綾香は、いまだに信じられない様子。
「私も最初、自分でも信じられなかったのよ。今は、もう慣れたけどね」
「こんにちは、エレーナさんいる?」
「あっ、サラさんお久しぶりです」
再会の挨拶を交わすサラとエレーナ。
「誰? エレーナの知り合いか?」
慎一が二人の関係を尋ねる。