幸せになろう
第16話 努力とは
エレーナの友人達が、天上界から訪ねて来た。
どうやら慎一に会いに来たようだ。
「貴方が慎一さん? 会ってみたかったんだ」
天使1が慎一に握手を求めた。
「慎一さんは、天使達の間ですごい人気だよ」
天使2が慎一の天上界での人気ぶりを強調。
相変わらず天使達の間で、彼の噂だけが一人歩きしているようだ。
「そうそう、この間慎一さんを殺そうとした幹部達が解任されたのよ」
天使3が突然、思い出したように言う。
「マイナスエネルギーを浄化出来なかったからって、あんまりだよね」
「慎一さんが、契約管理システムの改善に尽くしてくれたおかげで、
私達は、自由で安全な契約が出来るようになったのに」
天使1と2が口々に幹部達を批判した。
「あまりにもひどすぎるって、天使達の批判が高まって、
幹部会は抹殺を企てた幹部達を解任したの」と、天上界の近況知らせる天使3。
「そんなことがあったのか。エレーナ、知っていた?」
「いいえ、私は何も」
互いに顔を見合わせる慎一とエレーナ。
「それからね、後任にはイザベラ幹部が信頼する若手何人かに決まったの。
これで、幹部会も古い体質から少しは抜け出せればいいけれど、
まだ、古い人達の力は大きいから」
天使3によると、幹部会の世代交代はあまり進んでいないらしい。
「定期的に天上界に帰って様子を見てきたほうがいいんじゃないか?
何も知らないのはまずいだろう」
慎一は、エレーナに一時帰郷を勧める。
「そうですね。でも慎一さんを一人にするのは……」エレーナは躊躇う。
「大丈夫、姉さんもついているし」
その、さやかは、今日は遅くまで帰って来ない。天上界の用事で出掛けているからだ。
友人達との会話は、盛り上がった。
そのうち夜になった。
今日はもう遅いので、天使達は宮原家に泊まることになった。
エレーナは、友人達が使う予備のふとんを探しに行った。
「慎一さん、予備の布団はどこですか?」
「奥の部屋の押入れにあるだろう」
「ありました。今持っていきますね」
その時、ガチャーン! 何かが激しく壊れる音がした。
「何があった?」
驚いて、エレーナの元に駆けつけた慎一。
床に散乱する、粉々に砕けたガラスケース、そして壊れた建築模型。
そばで、エレーナがぼう然と立ちつくしていた。
「あっ、これは俺の、何て事してくれたんだ!」
「ごめんなさい。布団を運ぼうとしてぶつかってしまいました」
どうやら慎一に会いに来たようだ。
「貴方が慎一さん? 会ってみたかったんだ」
天使1が慎一に握手を求めた。
「慎一さんは、天使達の間ですごい人気だよ」
天使2が慎一の天上界での人気ぶりを強調。
相変わらず天使達の間で、彼の噂だけが一人歩きしているようだ。
「そうそう、この間慎一さんを殺そうとした幹部達が解任されたのよ」
天使3が突然、思い出したように言う。
「マイナスエネルギーを浄化出来なかったからって、あんまりだよね」
「慎一さんが、契約管理システムの改善に尽くしてくれたおかげで、
私達は、自由で安全な契約が出来るようになったのに」
天使1と2が口々に幹部達を批判した。
「あまりにもひどすぎるって、天使達の批判が高まって、
幹部会は抹殺を企てた幹部達を解任したの」と、天上界の近況知らせる天使3。
「そんなことがあったのか。エレーナ、知っていた?」
「いいえ、私は何も」
互いに顔を見合わせる慎一とエレーナ。
「それからね、後任にはイザベラ幹部が信頼する若手何人かに決まったの。
これで、幹部会も古い体質から少しは抜け出せればいいけれど、
まだ、古い人達の力は大きいから」
天使3によると、幹部会の世代交代はあまり進んでいないらしい。
「定期的に天上界に帰って様子を見てきたほうがいいんじゃないか?
何も知らないのはまずいだろう」
慎一は、エレーナに一時帰郷を勧める。
「そうですね。でも慎一さんを一人にするのは……」エレーナは躊躇う。
「大丈夫、姉さんもついているし」
その、さやかは、今日は遅くまで帰って来ない。天上界の用事で出掛けているからだ。
友人達との会話は、盛り上がった。
そのうち夜になった。
今日はもう遅いので、天使達は宮原家に泊まることになった。
エレーナは、友人達が使う予備のふとんを探しに行った。
「慎一さん、予備の布団はどこですか?」
「奥の部屋の押入れにあるだろう」
「ありました。今持っていきますね」
その時、ガチャーン! 何かが激しく壊れる音がした。
「何があった?」
驚いて、エレーナの元に駆けつけた慎一。
床に散乱する、粉々に砕けたガラスケース、そして壊れた建築模型。
そばで、エレーナがぼう然と立ちつくしていた。
「あっ、これは俺の、何て事してくれたんだ!」
「ごめんなさい。布団を運ぼうとしてぶつかってしまいました」