幸せになろう
第17話 再会、初めての契約者
慎一はエレーナと街に出掛けた。
ふたりで歩いていると、見知らぬ男とすれ違った。
エレーナは驚いたように振り返った。
「あの人は!」
「どうしたの?」
エレーナの様子に気づいた慎一。
「いいえ、何でもありません」
慎一とエレーナはそのまま歩き続けてた。
だがエレーナは、さっきの男が気になった。突然、
「慎一さん、私、急用を思い出しました。先に行ってて下さい」
「おい、エレーナ、どこへ行くんだ?」
エレーナは羽を広げ、飛んで行ってしまった。
エレーナはいったいどうしたというのだ。
エレーナは、さっきの男を追って公園まで来た。そして、男に話掛けた。
「久しぶりです。藤村直純さん」
「君は、あの時の! 君が人間界に来ているということは、新しい契約者でも出来たのか?」
藤村は驚いたように振り向いた。
「はい。今は、新しい人と契約しています」
「ところで、俺に何の用? もう君とは関係ないはずだ」
藤村はエレーナを見るなり、不機嫌になった。どうやら彼女とは会いたくなかったようだ。
「あの直純さん、体調はまだ悪いんですか?」
「そう簡単に良くなる訳ないだろう。最近もっと具合が悪くなった。
別な病気にもなった。もう最悪だ」
「そんなに悪いんですか」
エレーナは、藤村の体調が良くない事に心を痛めた。
「あの、私の友人が貴方の力になってくれると思います。
もしよかったら頼んでみませんか?」
エレーナは、打診してみた。
藤村は、少し間を置いてからこんな事を聞いてきた。
「君の今の契約者ってどんな人?」
「すごくいい人です。優しくて、しっかりしていて」
エレーナがそう答えると、
「じゃあ、君はその人を幸せに出来たのか?」
藤村はさらに質問をしてきた。
「まだ途中ですけど、絶対出来ると思います」
「そう」
藤村は、それ以上何も言わなかった。会話はそれだけだった。
夕方、家に帰ったエレーナ。
「遅かったじゃないか。ずっ待っていたのに」
エレーナが戻って来ないので、独りで用を済ませ、帰宅していた慎一。
「すみません。話し込んでいたのでつい」
エレーナは、謝った。
「友達にでも会っていたのか?」
「いいえ、私の一番最初の契約者です。偶然再会したので少し話していたんです。
病気で苦労をされている方で、当時、私がまだ未熟だったせいで、
あの人の信頼を得ることが出来ず、契約破棄されてしまったんです。
ふたりで歩いていると、見知らぬ男とすれ違った。
エレーナは驚いたように振り返った。
「あの人は!」
「どうしたの?」
エレーナの様子に気づいた慎一。
「いいえ、何でもありません」
慎一とエレーナはそのまま歩き続けてた。
だがエレーナは、さっきの男が気になった。突然、
「慎一さん、私、急用を思い出しました。先に行ってて下さい」
「おい、エレーナ、どこへ行くんだ?」
エレーナは羽を広げ、飛んで行ってしまった。
エレーナはいったいどうしたというのだ。
エレーナは、さっきの男を追って公園まで来た。そして、男に話掛けた。
「久しぶりです。藤村直純さん」
「君は、あの時の! 君が人間界に来ているということは、新しい契約者でも出来たのか?」
藤村は驚いたように振り向いた。
「はい。今は、新しい人と契約しています」
「ところで、俺に何の用? もう君とは関係ないはずだ」
藤村はエレーナを見るなり、不機嫌になった。どうやら彼女とは会いたくなかったようだ。
「あの直純さん、体調はまだ悪いんですか?」
「そう簡単に良くなる訳ないだろう。最近もっと具合が悪くなった。
別な病気にもなった。もう最悪だ」
「そんなに悪いんですか」
エレーナは、藤村の体調が良くない事に心を痛めた。
「あの、私の友人が貴方の力になってくれると思います。
もしよかったら頼んでみませんか?」
エレーナは、打診してみた。
藤村は、少し間を置いてからこんな事を聞いてきた。
「君の今の契約者ってどんな人?」
「すごくいい人です。優しくて、しっかりしていて」
エレーナがそう答えると、
「じゃあ、君はその人を幸せに出来たのか?」
藤村はさらに質問をしてきた。
「まだ途中ですけど、絶対出来ると思います」
「そう」
藤村は、それ以上何も言わなかった。会話はそれだけだった。
夕方、家に帰ったエレーナ。
「遅かったじゃないか。ずっ待っていたのに」
エレーナが戻って来ないので、独りで用を済ませ、帰宅していた慎一。
「すみません。話し込んでいたのでつい」
エレーナは、謝った。
「友達にでも会っていたのか?」
「いいえ、私の一番最初の契約者です。偶然再会したので少し話していたんです。
病気で苦労をされている方で、当時、私がまだ未熟だったせいで、
あの人の信頼を得ることが出来ず、契約破棄されてしまったんです。