幸せになろう
「その夏穂ちゃんって娘の連絡先を教えて」
慎一の話が終わらないうちに、天使達は一斉に身を乗り出してきた。
彼女たちは、早速夏穂のところへ向かった。
「なあエレーナ、あいつら3人で押しかけて大丈夫かな?」
慎一は少し心配だ。
「原則的には、人間と天使、1対1の契約です。
でも、慎一さんは既に私との契約がありますし、さやかさんとは姉弟。
どちらか一方を引き離すのは酷との理由で、特別に重複契約が認められているんです」
エレーナの説明に納得する慎一。
「やっぱりそうだよな。でもそれだと、2人契約から外れることになるし、
お互い気まずくなるだろう。夏穂ちゃん、誰を選ぶんだろう?」
その日の夕方、夏穂が天使達とお礼の挨拶に来た。
「お兄ちゃん、天使達を連れてきてくれてありがとうね」
「あれ? 夏穂ちゃん1対1の契約じゃないの?」
「友達はいっぱいいたほうがいいからって、お父さんとお母さんも1人づつ契約してくれたんだよ。
だからみんな一緒なの。今日から、両親と天使達3人と一緒に暮らすんだよ」
「そうか、よかったな、夏穂ちゃん」
慎一と夏穂の会話は弾む。
「夏穂さん、よかったですね。友達がいっぱい出来て」
エレーナも会話に加わった。
「夏穂ちゃん、両親にすごく大切にされているんだな。ちょっと羨ましい。
うちの親もこうならばな」慎一は、ぽつりとつぶやく。
「慎一さん……」
エレーナは慎一の言葉が気にかかった。
「あれ? 慎一お兄ちゃん、この人は?」
夏穂がさやかを不思議そうに見ている。
さやかは、夏穂が赤ん坊だった頃に死んでいる。夏穂がさやかの顔を覚えているわけない。
だが、それはさやかとて同じこと。さやかも赤ん坊の頃の夏穂しか知らない。
お互い相手が分からない。
「こちらは、従妹の持田夏穂ちゃん。それと……」
慎一は、さやかに夏穂を紹介した。
「貴方があの夏穂ちゃん? 大きくなったわね」
夏穂は、キョトンとして、さやかに話掛けられても分からない。
「こちらは、さやか姉さん。でも一度死んで、天使として生まれ変わったんだ」
だが、夏穂には全く理解されていない。
慎一はさやかの事をどう説明していいか分からなくなった。
「説明が難儀だな」
「いいわ、慎一、私が説明するわ」
さやかの説明で、夏穂はようやく彼女の事を理解した。
「ふーん、そうだったんだ。でもさやか姉ちゃんって慎一兄ちゃんの妹みたい」
慎一の話が終わらないうちに、天使達は一斉に身を乗り出してきた。
彼女たちは、早速夏穂のところへ向かった。
「なあエレーナ、あいつら3人で押しかけて大丈夫かな?」
慎一は少し心配だ。
「原則的には、人間と天使、1対1の契約です。
でも、慎一さんは既に私との契約がありますし、さやかさんとは姉弟。
どちらか一方を引き離すのは酷との理由で、特別に重複契約が認められているんです」
エレーナの説明に納得する慎一。
「やっぱりそうだよな。でもそれだと、2人契約から外れることになるし、
お互い気まずくなるだろう。夏穂ちゃん、誰を選ぶんだろう?」
その日の夕方、夏穂が天使達とお礼の挨拶に来た。
「お兄ちゃん、天使達を連れてきてくれてありがとうね」
「あれ? 夏穂ちゃん1対1の契約じゃないの?」
「友達はいっぱいいたほうがいいからって、お父さんとお母さんも1人づつ契約してくれたんだよ。
だからみんな一緒なの。今日から、両親と天使達3人と一緒に暮らすんだよ」
「そうか、よかったな、夏穂ちゃん」
慎一と夏穂の会話は弾む。
「夏穂さん、よかったですね。友達がいっぱい出来て」
エレーナも会話に加わった。
「夏穂ちゃん、両親にすごく大切にされているんだな。ちょっと羨ましい。
うちの親もこうならばな」慎一は、ぽつりとつぶやく。
「慎一さん……」
エレーナは慎一の言葉が気にかかった。
「あれ? 慎一お兄ちゃん、この人は?」
夏穂がさやかを不思議そうに見ている。
さやかは、夏穂が赤ん坊だった頃に死んでいる。夏穂がさやかの顔を覚えているわけない。
だが、それはさやかとて同じこと。さやかも赤ん坊の頃の夏穂しか知らない。
お互い相手が分からない。
「こちらは、従妹の持田夏穂ちゃん。それと……」
慎一は、さやかに夏穂を紹介した。
「貴方があの夏穂ちゃん? 大きくなったわね」
夏穂は、キョトンとして、さやかに話掛けられても分からない。
「こちらは、さやか姉さん。でも一度死んで、天使として生まれ変わったんだ」
だが、夏穂には全く理解されていない。
慎一はさやかの事をどう説明していいか分からなくなった。
「説明が難儀だな」
「いいわ、慎一、私が説明するわ」
さやかの説明で、夏穂はようやく彼女の事を理解した。
「ふーん、そうだったんだ。でもさやか姉ちゃんって慎一兄ちゃんの妹みたい」