クリムゾンフレイヤ

「龍破斬《ドラゴ・スラッシュ》!! 拡散型!」


無属性の斬撃魔法を一瞬にして手当たり次第にぶつけていき、木を次々と横倒しにしていく。

もちろん、木の上にいた盗賊団の男たちも、素早く木に移らなければならない状況なのだが……。


「地血変《ジチヘン》」


不意に聞こえてくる聞いたこともないような呪文と同時に、移る木全てがドロドロの赤い液体に変わっていくため逃げられない。


「一体どうなってやがんだ! 相手は一人じゃなかったのか!?」

「た、確かに襲って来たのはあの女だけだったんだ! ホントだって!」

「とにかく、先に戻らねぇと……オレたち全滅しちまう!」


さすが盗賊……なのに忍びのように素早い三人に、スカーレットは驚いたが、ちゃんと取るものは取っていた。


「あいつらバカよねぇ。わざわざ鍵っぽいもの落として行って……また襲われたいのかな?」


と言っても、もう聞こえないだろうけど。

いかにも宝の鍵っぽいものを太陽の光に当て、スカーレットは微笑した。

だが、その微笑は一瞬で恐怖へと変わるのが、自分でも理解出来た。




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