クリムゾンフレイヤ

「アルカイド王国管理士兼町長? へぇ、爺さんお偉いさんなんだ」


何か刺のある言い方でペラペラの紙を揺らしたスカーレットに、町長は笑顔で頷く。


「その通りじゃ。わしはお偉いさんじゃ、金持ちじゃ」

(自分で金持ちとか言うのかよ)


白髭を撫でる町長の言葉に、大の字のままグラガは胸の内でツッコんだ。

だが、あるキーワードに反応するのが一人。


「金持ちなの!? えっと、で、私に何用でしょうか?」

「おい、キャラ変わってるぞー」


スカーレットの明らかな反応に、さすがに立ち上がり彼女の頭を叩いたグラガ。

が、鼻息を荒くしたスカーレットには何も効かない。


「お、落ち着かんか。立ち話も難じゃし……わしの家に行こうかの。そこで話をするわい」

「オーケー。今すぐ行くわ」

焦り苦笑した町長の提案に、スカーレットはすぐに了承して親指を立てる。


「ホレ! 主も来るのじゃ」

「マジかよ……爺さん、俺は行かねぇよ?」

「ごちゃごちゃ言わんでいい。主が元々の元凶なのじゃからな」


町長に腕を掴まれるグラガの反論を無視し、爺さんは強制的に地面を引きずって連れて行く。

そんなやりとりを見て、


(爺さん強いんじゃない?)


何て呑気に思っていたスカーレットは、軽い足取りで付いて行った。




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