クリムゾンフレイヤ

「ははぁーん、読めた。アンタ、その実験に必要なものを間違えて取って来たんでしょ?」


スカーレットの言葉に、黙り込むグラガに、図星だと確定した。


「んで、その間違ったもの……魔王とかいうんだから、水晶系かな? それが失敗してその研究長に乗り移った。オーケー?」

「……あぁ、大、大、大正解だよバカやろう」


スカーレットの的確?な答えに、グラガは観念して肩をすくめた。

そのあと大きな溜め息をついて、青年は机に肘を付いて頬をつく。


「今アルカイド王国の隣には、魔王の根城が建ってやがるんだ。それを壊して魔王を倒すのが、今回オヤジが頼む依頼だ」


グラガは大あくびをして、再び溜め息をついた。

だから町長は、“おまえのせいでもある”と、言ったのか。


「まぁ、悪い話ばっかじゃねぇ。魔王の城には金銀財宝の山があるらしいから? それを含めりゃあ、一生は食っていけるだろーよ」

「倒せれば……でしょ?」


グラガの話に一瞬揺らいでしまったスカーレットだが、“倒せれば”という条件が先に浮かんで、首を横に振った。


そんな危ない橋を、わざわざ金銀財宝のために渡るスカーレット様では……では……!




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