クリムゾンフレイヤ
「決して……ないぞ……!!」
「おまえ、行く気満々な顔じゃねぇか」
堪えてるつもりが、どうしても表に出てしまうのか……。
この時ばかりは、自分の傲慢さに呆れてしまった。
「……一つ聞きたいんだけど、もしかしてホントにアタシとアンタだけで、魔王さんを倒しに行くの?」
「あのオヤジのことだ。多分そうだろーよ」
そうだろーよって……確かに金貨500枚+魔王さんのお宝が、そりゃガッポリ手に入るとしてもだよ?
生身のたかが人間様がノコノコ二人で行けば、もうジ・エンドじゃない!
「そうか……だから金貨500枚か」
「?」
一人演説みたいに忙しなく動いたりブツブツ言うアタシに、当然グラガは首を傾げた。
が、アタシの頭には、金貨500枚もあれば強い傭兵くらい一人や二人集まるはず……と、一人納得していた。
「グラガ! 魔王さんの討伐期間は!?」
「えっ!? えっとなぁ……確かアルカイド王国が攻められる前までに、だったか?」
「そんなの明日かも知れないじゃない! そんなの無謀だわ」
……やっぱり止めようかしら。
グラガの答えに力なく肩を落としたアタシ。
ここからアルカイド王国まで、頑張っても丸三日は掛かるのだ。
(……そこは町長さんにどうにかしてもらおうかしら)
なんたってアルカイド王国直属のお偉いさんだ。
結界的なものを張ってもらえれば、いくら魔王だって1日や2日で破れはしないはず。
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