クリムゾンフレイヤ
「よし! ……今は寝る。おやすみ」
「オイオイ、行くか行かないかくらい決めてくれよ」
布団を頭まで被って、腰に下がったままだった剣をベットに立て掛けて、アタシは寝る。
けど、グラガは肩を竦めて首を横に振った。
「あの爺さんに言っといて。魔王さんを倒すかどうかはアンタの考え次第だって……」
アタシの籠もった言葉に、グラガは「マジかよ……」と、小さく呟いて頭を掻いた。
別に脅してる訳じゃないから、ちゃんとそのまんまの意味で伝えてくれれば伝わる……はず。
「わかった。オヤジに言っておくよ。じゃあな」
溜め息をついてグラガは立ち上がった。
一瞬こっちを見ていたような気もしたけど、アタシは返事をする前に睡魔が襲い、静かに瞼を閉じた──。
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