クリムゾンフレイヤ

☆答え



朝の8時過ぎか……。

スカーレットは目が覚めた。

薬のおかげか、頭痛はすっかりなくなっており、二日酔いになることはなかった。

さすが薬の町だ。

と、感心しながらグラガが用意したのであろう、その部屋を出る。


「待ってたぜ」


部屋を出た所ですぐに左から声が聞こえ、スカーレットは一瞬肩を震わせる。


「アンタ……いつからいたの?」

「朝の7時くらいから」

「そう……なんというか、ご苦労様」


朝からバカな相手はしていられないと、スカーレットは肩をすくめて先に歩き出した。

それを不機嫌そうにグラガは追い掛ける。


「昨日オヤジにおまえが言ったことを伝えたぜ」

「ふーん……」


グラガの言葉に、スカーレットが興味なさ気に曖昧に返事する。

と、いうより────。


(アタシ、昨日なんか言ったっけ? 全く覚えてないんだけど……)


スカーレットはグラガから見えないように顔を俯いて、冷や汗をかいた。

どうせ自分のことだ。

金額を増やせとか、うんたらかんたら言ったのだろう。




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