クリムゾンフレイヤ
「でだ、伝えたあとオヤジは血相変えてアルカイド城に走って行きやがった」
「爺さん……じゃないや。町長さんが?」
グラガの話を聞いて、アタシは頭を掻いた。
あれ? 今咄嗟に言い直したけど、昨日爺さんって言ってたような?
ダメだ。記憶が曖昧過ぎる。
「おまえが言ったのになんの意味が含まれてたのかは知らねぇけど、あれ。どういう意味で言ったんだ?」
「えっ? えっと……」
「何だよ? 旅の仲間になるかも知れないのに、教えてくれねぇーのか?」
グラガは腕を組んで足を止めた。
仲間? えっ?
(ホントに本気でアタシ、何を話したのよ……)
訳がわからない。
薬を貰って飲んで、そのあとスープを飲んだことは覚えてる。
けど、そこからが曖昧だ。
何か……アルカイド王国に危険が迫ってるやらという話だっけ?
「あーもぅ、ごめん。昨日のことほとんど覚えてないのよねー。アタシ、逆に何言ったっけ?」
仕方なく、アタシは逆に質問することにした。
薬の副作用のせいならこいつが悪いが、酔ってたのもあって覚えていないだけかもしれない。
アタシも足を止めて、客室が並ぶ壁に背を預けた。
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