クリムゾンフレイヤ
「えーっとねぇ……」
首を垂れるグラガの言葉に道を見たスカーレットは、
「右か左か、右斜め上か左斜め上か……あとはー」
「ちょっと待て、どんだけ道あるんだよ!?」
見たままを説明するスカーレットに、さすがに驚いたグラガは、どういう状況か見るために顔を上げた。
「……マジかよ。なんだよこの分岐は!?」
グラガが見たのは、あまりにも愕然とするものだった。
様々な道に繋がっているのは分かるが、五つに分かれているのはさすがにどうだ?
「地図には一本道って書いてるけど、あの爺さんホントにダメね」
ヒラヒラと地図を風に靡かせて、スカーレットは溜め息を吐いた。
全くだ、とグラガも溜め息を吐いたが、そんな場合ではない。
問題は、どの道に行くかが重要なのだ。
「お前、勘で選べよ」
「なーんでアタシに言うのよ? さては、間違ったら全部アタシに責任を押し付けるつもりね?」
後頭を両手で支え、グラガは面倒そうに彼女に押し付けるが、はい、そうですかと簡単に頷く訳もなく。
スカーレットは細い目で青年を睨み、当たり前のように反論した。
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