クリムゾンフレイヤ
「アンタだけ何で浮いてるのよ!? あーもぅ!」
風を錬成したのか、はたまた普通に風魔法を応用したのか……グラガが宙に浮いているのを見て、スカーレットは息を吸った。
「氷皇の名の元に命ず、フリーズグライ!」
太股辺りまで沈んでいる状態で、スカーレットは無茶な行動に出た。
モンスターも重量が重いせいか、少女より沈むのが早かったのが唯一の助けか。
スカーレットは氷結魔法を唱え、グラガがドロドロにした泥の地面を一気に凍り付けにしたのだ。
「おまえっ! そんなことしたら、おまえまで凍結で死んじまうぞ!?」
次々に凍っていく地面と、そこに沈んでいるモンスターとスカーレットは、足元から一気に凍り付けにされていく。
だが、そんなことは少女にも把握済みだ。
「古より来たれ、炎極の末裔──フレイムグライ!」
スカーレットはすかさず火の魔法を唱え、自信を火ダルマにしていく。
一体全体、少女のしていることが分からなくて、グラガは川を横目に錬成を始める。
「『魔水─マスイ─』!」
水に魔力を注ぎ、丸い球体を作りあげ、青年はそれをスカーレットの頭上から落としてしまう。
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