クリムゾンフレイヤ

「アンタだけ何で浮いてるのよ!? あーもぅ!」


風を錬成したのか、はたまた普通に風魔法を応用したのか……グラガが宙に浮いているのを見て、スカーレットは息を吸った。


「氷皇の名の元に命ず、フリーズグライ!」


太股辺りまで沈んでいる状態で、スカーレットは無茶な行動に出た。

モンスターも重量が重いせいか、少女より沈むのが早かったのが唯一の助けか。


スカーレットは氷結魔法を唱え、グラガがドロドロにした泥の地面を一気に凍り付けにしたのだ。


「おまえっ! そんなことしたら、おまえまで凍結で死んじまうぞ!?」


次々に凍っていく地面と、そこに沈んでいるモンスターとスカーレットは、足元から一気に凍り付けにされていく。

だが、そんなことは少女にも把握済みだ。


「古より来たれ、炎極の末裔──フレイムグライ!」


スカーレットはすかさず火の魔法を唱え、自信を火ダルマにしていく。

一体全体、少女のしていることが分からなくて、グラガは川を横目に錬成を始める。


「『魔水─マスイ─』!」


水に魔力を注ぎ、丸い球体を作りあげ、青年はそれをスカーレットの頭上から落としてしまう。




< 46 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop