クリムゾンフレイヤ
Cahpter1;錬金術と魔王
────あの出来事から3日後。
スカーレットは大きく頑丈な布袋を片手に、一本道に続く野道を歩いていた。
五月下旬の日辺りが強い快晴の春か夏か。
近年モンスターによる増植により、暑さや寒さが酷くなっている。
おかげで彼女のような冒険者にとって、仕事が無くならないのでいいのだが、増えるだけに留まらず凶暴にもなっているから困りものだ。
「まっ、そんなことアタシには関係ないけどねぇ」
……少々金品を欲張り過ぎたか。
スカーレットは怠くなった右手から左手に袋を持ちかえ、ゆっくりと林の道を行く。
静かに迫って来ている者たちに気付きながら……。
「……うっとしいわね」
警戒しながら後を付けてくる者たちに、スカーレットは軽く鼻を鳴らした。
数はそれほど多くはない。
確実に殺しに来たのなら、もう少し数が多くてもいいくらいだ。
(実際7人もいるんだけど……まぁ準備運動には最適な人数かな?)
そういえば最近ろくに運動していないなぁ、何て呑気に思っていると、不意におかしなことが起きた。
.