クリムゾンフレイヤ
「た、《鷹の爪》新リーダーのアスモン=グランデだ。ボスの仇を──ギャッ!?」
「説明が長い。イエスかノーで答えて欲しかったなぁ」
アスモンと自ら名乗ったはいいが、主犯かどうか聞いているのに自己紹介する奴があるか?
なんでスカーレットは呆れながら、リーダーのお腹に蹴りを入れた。
が、さすが新リーダーに選ばれるだけあって、戦闘経験は多少あるようだ。
現に今蹴りを入れたのだが、寸での所で腰を引いて蹴りを溝にまで届かせなかった。
(魔弾も使えるし、まえのボスより強いんじゃない?)
なぜ今まで従っていたのか?
疑問ばかり浮かんでくるが、スカーレットには関係ない。
「《鷹の爪》なら、前にアタシが根こそぎ金目の物“頂いた”と思うんだけど……」
「そ、そうだ。よく覚えてるじゃないか。そのせいで、俺たちは3日3晩食い物に有り付けなかったんだよ!」
なるほど。
それで前のボスは死んでしまったのか……。あれ?
「前に聞いたら話と違うような……まぁ、いいわ」
首を傾げて溜め息をついたスカーレットは、アスモンに向けて剣先を向けた。
オマケで空いた片手にも魔力を溜めているから、倒す準備は万端だ。
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