クリムゾンフレイヤ
「新リーダー就任おめでとう。短いリーダーだったね」
御愁傷様、と目をつぶり頭を下げたスカーレットの言葉を、アスモンは「いやいや!」と、首を全力で振って否定する。
「クソ……こうなったら全力で殺してやるよ! おりゃ……フギャッ!?」
魔弾の拳銃をスカーレットに向け、引き金を引きながら後退したアスモン。
だが、易々と弾丸は避けられ、アスモンは顔面に魔力を帯びた拳を食らった。
「容赦ねぇなぁ。生け捕りにしねぇと、話聞けないんじゃ……」
「あ、グラガ生きてたんだ。よかったよかった」
「俺の話聞けよ。てか、おまえそれ完全に棒読みじゃねぇか!」
フラフラしながら歩いて来るグラガの話を無視し、スカーレットは肩を竦めて腰に手を当てた。
もちろん彼女の顔には詫びる気持ちなど一切なく、グラガは諦めて飛んで行ったアスモンを見据えた。
「おーい。大丈夫か?」
遠巻きから安否を確認するグラガだが……返事がない。
「ただの屍……っ!?」
「何意味の分かんないこと言ってるのよ? 蹴るわよ?」
「今蹴っただろうが!」
まるでコントのような会話に、両者共にうんざりしながら、不意に物音がして同時にそちらに目を向けた。
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