クリムゾンフレイヤ

全て防ぎ切ったとばかり思い込み、弾を弾いた剣を横薙ぎに振ってしまったスカーレット。

その隙を、アスモンは見逃さなかった。


「ウソッ!?」


しゃがみ込んで足払いを掛けられてしまったスカーレットは、当然体制を崩し、一瞬宙に浮いた。

その隙だらけな体制に、アスモンの湾刀が、彼女の首筋を狙う。


「させるかよ!」


だが、見事なファインプレー。

ただ呆然と立ち尽くしていたと思われたグラガが、アスモンの背後に回り、横腹に蹴りを入れる。


「ガハッ……!?」


軽く飛んだアスモンを横目に、スカーレットは剣を地面に突き付け宙返りすると、こちらも見事に着地を果たす。


「チクショウ……やはり二対一じゃ部が悪いか」


まともに身体から着地したのか、アスモンは右腕を押さえて眉をひそめた。


「出直すか」

「ちょっと! 逃げる気!?」


アスモンの小さな呟きが、地獄耳のスカーレットに聞こえ、少女は一気に魔力を高めた。

しかし、その魔力の帯をいち早く感じとったアスモンは、早々とその場から姿を消した……。




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