クリムゾンフレイヤ

「出た?!」

「人を化け物みたいに言わないで頂戴!?」


悲鳴を上げて顔を歪ますスカーレットに対し、女性は豊かな胸を揺らして歩いてきた。


紫の長い髪に綺麗な顔立ち。

下着の上に薄いロングロートを着用し、腰には一本のレイピアを携え、あとは生足にブーツだけ。

と、いうより胸を一番に強調した服装にしたかったのか、何とも薄着な格好だ。


……男子の的はかなり当てているようだが。


「何鼻の下伸ばしてるのよ!」

「……ッ!」


女性に見惚れていたグラガの頭を思い切り殴ったスカーレットだったが、本調子が出ず手加減してしまった。


「あ、あれで手加減したのか!? 嘘だろ!」


殴られた本人はかなりの痛みを伴っているようだが、そんなことは関係ない。


「別に私は構わなくてよ? 私は見せてあげてるんだから……オーッホホホ!!」

「何処の時代の人よ……ったく」


何処かで聞いたことのあるような彼女の言葉に、スカーレットは頭を押さえて呆れた。

だが、女性は笑い続けている。


「あっ……グァ!?」


突然、グラガと外にいた街の人々が頭を押さえだし、スカーレットは重大なことを思い出した。




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