クリムゾンフレイヤ
「フレイヤ! 高笑いストップ!!」
何人か人が倒れ掛けている中、スカーレットはフレイヤの許まで走り口を塞いだ。
もちろん塞がれた方は何が何やら、周りの状況を理解出来ていない様子。
「ちょっと何よスカーレット! 私の高笑いを邪魔しないで頂戴!」
「高笑いするのは街の外でやって! かなり被害出てるから……」
スカーレットを見下ろし怒り心頭させるフレイヤだが、少女の言葉にようやく理解出来たようだ。
額に汗を浮かべて、一度咳払いをした。
「……一体何なんだよ今の高笑いは!?」
頭の中でまだ響く笑い声に痛みが取れないでいたグラガは、首を鳴らして深い息を吐いた。
「フレイヤの技とかいうか……癖というか」
「どっちにしてもはた迷惑なもんだな……」
溜め息をついて肩を落としたスカーレットの説明に、こちらも肩を落としたグラガ。
だが、フレイヤ自身はあまり気にしてはいないようだ。
「で? この手紙はなに? まさか果たし状?」
「違うわよ。何で私が貴方に果たし状を渡さなければいけない訳? どうせ書くなら恋文の方がマシよ」
「アンタの感覚はいつもどうなってるのよ!」
スカーレットの問いにスムーズにボケるフレイヤ。
だが、負けじと少女も激しいツッコミで応戦する。
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