クリムゾンフレイヤ
☆飯屋にて
「で、話を戻すけど……」
グラガが空腹で倒れてしまったことにより、現在飯屋の中で食事をとる三人。
だが、フレイヤが頼んだ料理が次々狭いテーブルに並べられていき、青年は唖然としていた。
(これ、一人で食うつもりか?)
豪勢にも、チキン・コーンスープ・サラダミックス・焼き魚・麦酒などを五人前ずつ。
さすがに空腹と言えど、グラガは色んな意味で胃液を上がらせた。
そんなことは気にもせず、人が注文した料理に手を付けていきながら、スカーレットは話始める。
「アンタが魔王討伐のために雇われた傭兵ってのは分かった。けど、城にいたアンタがわざわざ戻ってきた理由はなに?」
一気に舌を回すスカーレットに対し、フレイヤは大きなグラスに入った麦酒を一気飲みすると、顔を赤らめて微笑した。
「なにって……久しぶりに貴方の顔が見たくて来たって、何度も言ってるでしょう?」
と、言って次の麦酒に手を伸ばす。……が、その手はスカーレットによって防がれた。
「あんまり飲まないでよ。アンタすぐに酔っちゃうんだから……」
溜め息をつき、チキンを切り分けてグラガの前に置きながら、フレイヤを一瞥する。
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