愛の果実-エリートなあなた短編集-
腕枕しながら乱れた私の髪を解いてくれるのは、もはや朝イチのお決まりごと。
「風呂、入ろうか?」
「……修平、カラスの行水だもん」
「そうかぁ?」
「そうなの!」
ジーっと訝しげな眼差しをする私を、まったく気にしていない様子で。
ダークグレイの目を細めながら、鍛えた上半身をさらして寝転ぶ修平。
薄日差し込む広いベッド上で色気を放っているものだから、本当に困りものだ。
すると、「それなら」と私の片頬へ触れてくる彼。
「今日は長風呂にする」
「ええ?」
突如クールな面持ちでサラリと言うものだから、そのギャップを茶化して笑う。