愛の果実-エリートなあなた短編集-
「うっ、ん、……んっ」
静かなスーペリアルームで、妖しい水音と鼻にかかった甘い声が響いていく。
銀糸を引きながらようやく離れた唇。彼を見つめていると、キス後の赤みにまた鼓動が高鳴るばかり。
その時、ダークグレイの瞳がこちらへ向く。とても優しいその眼差しに思わず、彼の頬へキスをしていた。
すると小さく溜め息を吐き出した彼。だけれど、その表情はひどく扇情的なもので私の心をグッと掴む。
「真帆ちゃんには負ける」
「私のセリフなのにぃ」
「フッ、気持ちは絶対に負けないけど」
再び歩き始めた修平が向かうのは、解放感あるバスルーム。私はキュッと少しだけ、彼の首を抱く力を強めた。
「とりあえず風邪引く前に温まろう。
続きはそれからだよな、真帆ちゃん?」
「あっ、…ちょっ、やぁ、ん」
湯けむり立つジャグジー内でも、密着した肌と肌を撫で合っていた。