蝉とブルー






呆気ないな、
わたしはそう思った






わたしが二人で過ごすアパートをでて一週間が経ったけど、なにも変わらない時間が、恐ろしく穏やかに過ぎた。






本当に、呆気ない。


愛し合った三年間なんて、どこにも見当たらない。







あの日の蝉だって
もう道端に転がっているだろう。




あんなにも鳴き叫んでおいて、結局そんなものなんだ。





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