蝉とブルー
「好き、なんだけど」
目の前の大好きな人は、目を丸くした。
「わ、わたしたち高3だし…っ
受験もあるし、なんでこんな時期?って感じだけど
でも、ほんとは、好きで
ずっと好きで…
今言わないとこのまま卒業しちゃう気がして………なんていうか、あの…」
情けないくらいに声を震わせるわたしを、彼は、抱き締めた
「ありがとう、
勇気出してくれて」
わたしは拓郎の胸で泣き叫んだ。
外で鳴く蝉に負けない程に。