Break at heart.
「すごい…」
『開いた口が塞がらないとはまさにこのことだろう』とは、まさにこのことだろう。
大きな家。晴瑠のバイクから降ろされたら大きな家があった。
晴瑠に抱っこされるような形でバイクから降りて、晴瑠はあたしの手を包んだ。
そして、大きな家のドアの前に来たところで、
「ここは、晴瑠の家?」と、疑問の声を上げたら、晴瑠の笑顔でかき消された。
晴瑠はニコ、と笑ってから、背の低いあたしに合わせるようにヒザを曲げて目線を合わせてきた。
そして、真剣な顔で──
「この家に入って、嫌になったらもう君とは会わない。」
晴瑠は、真剣な、だけど少し切ない顔をした。