蛍色
「蛍……。お前、その顔すんの俺の前だけな?」


ギュッと抱きしめて言った


「その顔って……?」

「可愛い顔だよっ。まぁいつも可愛いけどその顔は特別!」


「ん……分かった。」


やっぱり幸せ……。



「あっ、そうだ!忘れてた。」


と言って、はい、とマグカップを私てくれた。


「飲みなよ。温かいうちにさ。」


「ありがとう…。」


今は9月。さほど寒くはないが凄く温かさが身に染みた。


「それ飲み終わったら降りてきなよ。俺、パン焼いてくっから。」


「うん!」


恋は一階へ降りて行った。



私は暫くマグカップを見つめた。


恋の作った抹茶オレは美味しいな…


なんて思いながらそれを飲み干した。
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