蛍色
どうやって答えればいいんだ?


チラッと奏を見た


奏もこちらに気づきニッと笑って口を開いた


「ごめんね。初対面の人にはさすがに教えらんないな」


「じゃあ、一緒にお昼とかどうですか?」

「ん~、それもちょっとね…」


それとね、と付け加えて奏は続けた


「自分から名乗りもしないのに図々しく連絡先を聞いてくるのもどうかと思うけど?」


「っ!!」


二人はそそくさいなくなった


女子に優しい奏があんな事言うなんて……


「恋、行こ」


「あ、うん。………お前ならOKすんのかと思った」


「まさか。いくら俺でもああいった常識のない子は嫌いだからね」


「そっか。ちょっと感心した」


「当たり前だよ」


奏は笑って答えた


そして俺らは講堂に向かった
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