小さな夏は消えたんだ

ニヤリと笑い、鞄を拾い肩にかける

「ふぅ……よし、行ってきまーす」

 土で汚れた白いメッシュの靴のかかとを踏みつけ、駆け足で外に出る

 あまり音をたてないように自転車に乗って、道路へ出た。
 
 道路の真ん中には猫が寝そべっていた

 またかとため息をつくと、猫は私に気付いたのか、一目散に逃げ出した

 それをボーッと見つめ、ふと言葉をこぼした


「はぁ……学校かぁ…」
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