BLOOD・CONTRACT
「へーそんな遠くから来たの?すごい!沖縄って冬しか行かないから夏の暑さって知らないの、どう?すごく暑いの?」
『うん、すごく暑いよ!家からでれないもん!』
「すごーい!」
『でも小さい頃からいたから暑さには慣れてるんだけどね』
他愛もない話をしながら目的の場所に着いた。すでに皆そろっていて、予習か何かをやっている子もいる。
どうやら出席番号順に座っているらしく壱子とは離れてしまった。
「ならまたあとでね!」
『うん』
2人はこうして自分の席それぞれつく。
少し時間がたつと教室に担当の教師が来た。そして開始のチャイムが鳴る。
授業がたんたんと進んでいく中で1つ思うことがある。
(…難しい!何だ!レベルが違う。)
あまりにも難しすぎて顔をゆがめていると。
「クスッ」
(?)
何かに笑われた。
隣を見ると、机に伏せて奏都の方をじーと笑顔で見ている男子。
「何百面相してるの(笑)」
その言葉にに一気に顔が熱を持つ。
慌てて手で顔を覆うと、
「なんで隠すのさ、そのかわいい顔、もっとみたいな。」
ガシッ
男子は何を思ったのか、奏都に驚きの言葉をかけて手をつかむ。
「ほら離しなよ」
『でっでも…かわいいとかそんなの……』
無理矢理はがされようとする手に力を込める。すると最初は明るかった声色もだんだんど低くなっていく。
「俺がかわいいってゆう奴はかわいいの、ほら手離さないとキスしちゃうよ」
『!!』
思わず奏都は手の力を緩めてしまった。
「ほら、かわい」
「こらー吾斬(アギリ)、女子からかうなら休み時間にやれー」
「はーい」
彼は笑顔で奏都の手を離した。
(先生ありがとう…)
奏都は心の中で感謝の気持ちを呟いた。
その後は何のからかいもなく授業は終わった。