BLOOD・CONTRACT

奏都ちゃん!一緒に昼食しましょ」
高校に行き始め、早1週間が過ぎた。
その容姿、創った喋り方から奏都はクラス、学年で人気者になっていた。
「奏都ちゃんは恋人とかいらっしゃるの?」
お嬢様喋りにちょっといらつきを覚える。
『私?…私は恋人とかそんなの無縁だから。』
生まれたときから生贄になる運命が決まっていた奏都は、恋人などつくっても相手を悲しませるだけだと悲しくなる。
「そう?すごく言い寄られているように見えますわ」
「確かに!すごく可愛らしい容姿だもの」
(性格もだろ!そこは…)
苦笑いをしていると隣にいる壱子が一言いう。
「レズビアンじゃないの?」
「!!」
(おい!それは!)
「ちがっちがうよ!壱子ちゃん!」
「その慌てっぷり怪し〜(笑)」
他愛もない話をしながら昼食は終わった。
「午後の授業なんでしたっけ?」
「体育ですわ」
「えー私体育嫌い、すごく疲れます」
女子は口々に言う。
奏都も体育は嫌いだが、彼女達の言い方にはどこか意味深な節があった。
だが壱子だけは違っていた。
「そう?私、体育一番好きよ!」
そう答える壱子の瞳はキラキラ輝いている。
「壱子ちゃん、運動神経すごいですものね」
そう、壱子は男子にも劣らない運動神経の持ち主なのだ。
「さっみんな立って立って!着替えないと!」


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