赤いスイートピー
翌日、チエミとヒロユキが
〈ハッピー公園〉のブランコに座って話をしていると、好きなアイドルの話になった。
「チエミちゃんは誰かのファンなの?」
チエミの周りはマッチとかジャニーズのファンの子が多かった。
チエミも周りに合わせて
「シブがき隊のファンなんだ」
ということにしていたけれど、ヒロユキの前ではそんな事は言いたくなかった。
友達には黙っていたが、実はもっと大好きなアイドルがいた。
「私、松田聖子ちゃんが好き。」
ヒロユキには素直に言えた。
「聖子ちゃん。いいねぇ。俺も好き。レコード持ってるよ。」
ヒロユキも賛同してくれて、チエミは嬉しくなる。
「聖子ちゃんは歌もうまいし、顔も可愛いし、ファッションも素敵でなにもかもが最高なの。」
聖子はチエミの憧れの人だ。
聖子は少し前に髪をショートにして、それがまた可愛いかった。
チエミはたまに聖子に似てると言われることがあってそれがとても嬉しい。
少しでも聖子に近づきたくて、小さな頃からずっと長かった髪を切った。
河合奈保子や薬師丸ひろ子は女の子にも人気があったが、クラスメイトたちには聖子ちゃんの評判は悪かった。
性格悪い、とか男好きだとか。
「聖子ちゃんに会ったことないのに、わかるわけないじゃん。」
チエミが膨れっ面で言うとヒロユキは笑いながら言った。
「色々想像されるのが、人気アイドルの証拠なんだよ。」
ヒロユキはチエミより二学年上で高校二年生だったから、チエミにはすごく大人に思えた。
チエミが聖子の曲で一番好きなのは、
「赤いスイートピー」
だと言うと、翌日、ヒロユキはその曲が入ったLP盤レコードをチエミに貸してくれた。
チエミはそのLPをテープにダビングし、何度も何度も繰り返し聞いた。
〈ハッピー公園〉のブランコに座って話をしていると、好きなアイドルの話になった。
「チエミちゃんは誰かのファンなの?」
チエミの周りはマッチとかジャニーズのファンの子が多かった。
チエミも周りに合わせて
「シブがき隊のファンなんだ」
ということにしていたけれど、ヒロユキの前ではそんな事は言いたくなかった。
友達には黙っていたが、実はもっと大好きなアイドルがいた。
「私、松田聖子ちゃんが好き。」
ヒロユキには素直に言えた。
「聖子ちゃん。いいねぇ。俺も好き。レコード持ってるよ。」
ヒロユキも賛同してくれて、チエミは嬉しくなる。
「聖子ちゃんは歌もうまいし、顔も可愛いし、ファッションも素敵でなにもかもが最高なの。」
聖子はチエミの憧れの人だ。
聖子は少し前に髪をショートにして、それがまた可愛いかった。
チエミはたまに聖子に似てると言われることがあってそれがとても嬉しい。
少しでも聖子に近づきたくて、小さな頃からずっと長かった髪を切った。
河合奈保子や薬師丸ひろ子は女の子にも人気があったが、クラスメイトたちには聖子ちゃんの評判は悪かった。
性格悪い、とか男好きだとか。
「聖子ちゃんに会ったことないのに、わかるわけないじゃん。」
チエミが膨れっ面で言うとヒロユキは笑いながら言った。
「色々想像されるのが、人気アイドルの証拠なんだよ。」
ヒロユキはチエミより二学年上で高校二年生だったから、チエミにはすごく大人に思えた。
チエミが聖子の曲で一番好きなのは、
「赤いスイートピー」
だと言うと、翌日、ヒロユキはその曲が入ったLP盤レコードをチエミに貸してくれた。
チエミはそのLPをテープにダビングし、何度も何度も繰り返し聞いた。