君と僕、あなたとわたし
17年後、俺は中学受験も高校受験も大学受験も就職も全て上手くいって、歳も29になった。
既に結婚…っていいたいとこだけど、彼女すら今いない状態。
彼女ができても、運命って感じる程の恋愛にならない。
いつもどこか欠けているような気がする。
理想が高すぎ?
とも考えたことがある。
いつも受け身だからダメなのか?
とも考えた。
正直に言うと、今まで自分から好きになって、付き合った人は2人ぐらいしかいない。
恋愛だけは上手くいかないんだよな。
「おい、桐谷!」
そう言えばいい忘れてたけど、俺の名前は桐谷維月。
「あ、はい。」
「今日の夜お前暇?」
「はぁ、まぁ、一応。」
会社の黒河先輩に予定の有無を聞かれ、一応正直に答えたけど、嫌な予感がする。
「うしっ!今日飲みに行くか。女の子たちと!」
予感的中。
「いや、まじ勘弁してくださいよー。俺合コン好きじゃないんすよ。」
「何言ってんだよ。お前目当ての子もいるんだぞ!?この会社の社員の婚活の機会をお前1人で潰す気か!?」
はぁ?
婚活ぐらい自分たちでしろっての。
「俺は関係ないじゃないですかぁ。俺明日から1週間有休とって父方の実家に行くんですよ。だから、今日は家で1本飲むんです。」
「はぁ?1人で?」
“そうですよ。”っと言って俺は帰る準備をする。
関東から中国地方まで、車を親父、お袋と交代で運転しなきゃいけないんだ。
朝も早いし、前日に疲れることしたくない。
「お前また車で行くのか?」
「当たり前ですよ。」
「お前ん家金持ちなんだから、飛行機か新幹線使えよ!!なんでわざわざ車!?」
「そんなん知りませんよ!」