とあるバイトの子のとある恋物語




「しゅしゅしゅ主任っっ!!!」



その日の閉店後のことだった。


本日の仕事が終わり、着替えに行った藤野ちゃんが、事務所に飛び込んできた。


「何、どしたの藤野ちゃん?」


「あ、あのっ!さっき……っ!」


明らかに様子がおかしい。


真っ赤な頬に、泣きそうな顔。


一体、何がどうしたんだ。



「す、鈴木(スズキ)さんにご飯行きませんかって誘われちゃったんです!!」



鈴木さん、とは。


この店で働く社員くん。


この店でいうと、一番の責任者というか偉いのが当然店長。


その次が主任の俺。店長がいない時は、俺が店の責任者となる。


鈴木くんはその次だ。
一言で言えば役職も何もないただの社員。


バイトやパートよりも偉いけど、店長や俺ほど偉くはないということだ。


まあ、それはさておき。



< 10 / 28 >

この作品をシェア

pagetop