とあるバイトの子のとある恋物語
「しゅしゅしゅ主任っっ!!!」
その日の閉店後のことだった。
本日の仕事が終わり、着替えに行った藤野ちゃんが、事務所に飛び込んできた。
「何、どしたの藤野ちゃん?」
「あ、あのっ!さっき……っ!」
明らかに様子がおかしい。
真っ赤な頬に、泣きそうな顔。
一体、何がどうしたんだ。
「す、鈴木(スズキ)さんにご飯行きませんかって誘われちゃったんです!!」
鈴木さん、とは。
この店で働く社員くん。
この店でいうと、一番の責任者というか偉いのが当然店長。
その次が主任の俺。店長がいない時は、俺が店の責任者となる。
鈴木くんはその次だ。
一言で言えば役職も何もないただの社員。
バイトやパートよりも偉いけど、店長や俺ほど偉くはないということだ。
まあ、それはさておき。