とあるバイトの子のとある恋物語

またまた翌日。


さて、藤野ちゃんはどうするものかとさっそく聞いてみれば。



「やっぱりお断りしようと思います」



藤野ちゃんの考えは変わってなかった。


「中途半端なことしたくないし、不器用だからそもそもできないんです。伊藤さんが気になってるのに、他の男の人となんて……」


鈴木くんのことは別に嫌いというわけではないらしい。


ただ、一途に伊藤ちゃんを想うが故の結論だった。


藤野ちゃんらしく、ピュアで純粋な答えだと思った。


「うん。いいと思うよ。頑張りな」


ちゃんと断れるのか心配だけど、俺から言うわけにもいかないし、俺がそばにいるわけにもいかない。


頑張れよー、藤野ちゃん！




「──押しが弱いんですかね」


ああ……何でこうなった。


何で俺は、鈴木くんの恋愛相談まで受けてるんだ。