猫と宝石トリロジー①サファイアの真実

「絢士さんから聞いてませんか?両親は飛行機事故で亡くなっています」

「えっ?!飛行機事故?」

驚いた彼女の顔に美桜も少し驚いた。

なぜなら、この話題をした時に誰もがする申し訳ないって顔じゃなかったから。

「はい、私が中学生の時なので、今から10年前くらいです」

黙りこんだ彼女に美桜は困惑した。
両親がいないって、息子の嫁として不合格?

「あの、すみま……」

とりあえず謝ろうとしたら、何かしらの答えにたどり着いたであろう彼女がものすごい怖い顔で美桜を見た。

「絢士は知ってるの?」

「え?」

「あんたがASO のお嬢様って、あの子は知ってるのかって言ってんの!」

低い声で怒鳴られて身体に強い衝撃が全身に走った。

「どうしてそれっ!!」

なぜ、両親が飛行機事故で亡くなった事を話しただけで、私が麻生の人間だってわかったの!?

「知らないんだね」

私の表情から察して、彼女はあからさまにほっとしている。

「……はい」

どうしよう

こんな展開は想像していなかったのに、追い討ちをかけるように信じられない言葉が続けられた。



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