猫と宝石トリロジー①サファイアの真実
のしかかる彼の重みが愛しくて、
美桜は彼の背中を愛情を込めてさすった。
「ごめん、あと少し待って」
「このままで平気よ」
絢士は息を整えるように深く吐き出して、ドサッと横に転がってから美桜の頭を胸に乗せて髪を撫でた。
美桜はうっとりと瞳を閉じた。
このまま眠ってしまいそうだ。
「美桜」
「なあに?」
「間違いなく幸せな記憶に残るな」
「次もそうなるといいのだけれど?」
美桜がふふっと笑いながら言うと彼は身体を反転させて、美桜の肩に頭をコツンとぶつけた。
「きゃっ!な、なに?」
「んーちょっと待って。あと10分位したらわかるから」
言いながら彼の手が腿を撫であげる。
「あっ…えっ」
「なんだよ、俺のこと疑っただろ?」
彼の瞳はまだ面白がっている
「…ないから!疑ってないっ……んんっ」
長い指がまだぬかるんでいる場所に入ってきた。
「俺は何回だって幸せな記憶にできるってわかるけど、美桜には伝わってなかったみたいだから」
言いながら唇がさっきつけた紅い華の上をなぞって啼くのを確かめる。
「あやとっ……」
「うん、そのベッドの中だけ呼び捨てってかなりクる」
「やっ…」
からかうように輝いていた彼の瞳が真剣なものに変わった。
一度ぎゅっと抱きすくめられてから唇が重なると、美桜はさっきよりも情熱的に翻弄され奪われた。