猫と宝石トリロジー①サファイアの真実
毎回会う度に違う形で同じだけの幸せを与えてくれる人なんてこれまでいた?
これはきっとそうよ、母と同じ幸運を見つけたんたわ。
きっと絢士さんは運命の人
「絢士さん?」
「ん?」
「幸せな記憶になったわ」
彼はにっこり微笑むとシーツを手繰り寄せて二人にかけた。
「少し眠ろう」
丸くなる私の背後から腕が回され頭の上に顎が乗せられた。
美桜はうとうとした頭の中で夢を見ていた。
真実を告げても、彼は『だからどうした?』と笑ってくれて、おまけに彼の両親のどちらかに伯母様を満足させられる血筋の人がいた。
きっと春には今よりもっと幸せになっているわ
そして
彼を愛してる
そう言っているはず
前編 終わり