猫と宝石トリロジー①サファイアの真実
本気で怒って頬を膨らます彼女に絢士は喜びでにやけてしまう。
あーあ、まったく
俺のお姫様はどこまで俺をメロメロにする気だろう?
「美桜は肩書きとか気にしないのか?」
「当たり前でしょう!私は榊 絢士という人を愛しているのよ、肩書きや家柄を見て好きになったんじゃないわ」
よどみない彼女の言葉を聞いて、絢士の顔からにやにやした笑みが消えた。
「きゃっ!」
絢士は貪るようなキスで美桜の口をふさぎ彼女をもう一度ソファーに押し倒した。
「ちょっと……やっ…絢士さん?」
華奢な彼女の手首を掴んで、両方の腕を頭上にあげさせた。
「待って…あっ…んんっ」
恐ろしいほどの愛しさに駆り立てられる。
「美桜が悪い」
絢士の中で自分でも知らなかった獰猛な要求が姿を現した。
パジャマ代りに着た自分のシャツをたくしあげて、彼女の中心に指を這わせる。
「話があるの……んっ」
抗議する彼女を口を使って封じ込め、片手で彼女を攻め続けるとやがて抵抗が降伏に代わった。
「絢士」
息を喘ぎながら彼女が俺の瞳を見つめた。
「美桜……」
「愛してるわ」
彼女が微笑んで拘束されていた手をほどいて、俺の背中にそれを回した。
「あなたを愛してる」
だから好きにしてという風に彼女の手が背中を擦った。
「美桜、愛してる」
絢士はそのままソファーで彼女を奪い、
力の抜けた彼女の身体を抱き上げてベッドに行くと、もう一度彼女を奪い自らも全てを解き放ち彼女の上に崩れ落ちた。