約束の恋
やっと帰れる。
「咲智。どうだった?」
あたしは聞いてみた。
「今日はハズレ。全然。」
「そっか。」
それからも、咲智は何度も同じことを繰り返した。
友達に男を紹介してもらうために、みんなで遊んでは外れて。
季節は冬になろうとしていた。
今は11月中旬。
あと1ヶ月。
クリスマスまで、約束の日まであと1ヶ月。
あと1ヶ月で君に会える。
そう考えるだけで、あたしのテンションはあがった。
「希望、咲智。兄貴の店、今日オープンなんだけど、兄貴が来ないかって。」
「えっ?多毅(Taki)にぃが?!行くっ!」
あたしはつい大声になってしまった。
「あっ、ごめん...。」
恥ずかしい。