約束の恋
「でも、忘れてるかもしれないじゃん...。」
あたしの頭は、悪いほうへしか考えられなかった。
「じゃぁ、行かないつもり?」
「それは...。」
多毅にぃのその質問に、あたしは止まった。
「希望が行かなくて、そいつだけが来てたらそいつはどうなる?」
「えっ...。」
「そいつがかわいそうじゃん?希望は待ってたんだろ?約束した1年前からずっと。」
あたしは何もいえなかった。
「行けよ。”来ないかも”なんて考えるな。もし本当にそいつが来なかったとしても、お前は行ったんだから後悔しないだろ?」
多毅にぃの言葉は、あたしの心にスーって入ってきた。
「うん...。あたし、行く。」
「よし!それでOK!希望はこうでなきゃな。」
多毅にぃと咲智に背中を押され、あたしは行くことを決めた。
明日。
君は来ないかもしれない。
それでも、あたしは行くよ。
君に会えると信じて。
だって、君と約束したから。