約束の恋

「希望も来たことだし、行こ!」

集まっていたのは、咲智と蒼の友達だった。

「榊さんって彼氏とかいるのー?」

カラオケの最中、隣にいた人に聞かれた。

「いないよ。」

彼氏は、ね。

「じゃぁ、俺とか立候補しちゃおうかなー。」

何言ってるの、この人。

あたし、知ってるんですけど。

「そんなことしたら、亜紀に嫌われちゃうよー?」

満面の笑みで答えた。

「うっ。じょ、冗談だよ!」

そう言って、その人はあたしから離れていった。

何、あいつ。

最初っから声かけるなって感じ。

「希望。またなんか言ったの?」

「何かって事実を教えてあげただけ。」

「まったくー。」

咲智は呆れた顔をした。



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