約束の恋
少しの間、沈黙が流れた。
先にその沈黙を破ったのは、遼くんだった。
「ごめん。」
最初に口にされた言葉はこれだった。
「俺が言ったのに。ごめん。約束の日、行けなくて。」
覚えてたんだ...
あの約束...
「...もう気にしてない。」
下を向いたまま、あたしは答えた。
「東陽学院、合格したんだね。」
あたしが東陽学院志望してるって覚えてたんだ...。
「...うん。遼くんも清風合格したんだね。」
「うん。」
またも沈黙が流れた。
「...あたし帰るね。」
あたしは帰ろうとした。
「また会ってくれる?」