約束の恋
あたしは答えられなかった。
会いたいと思う自分と、会えないと思う自分の両方がいたから。
「...ごめん。もう会えないよ...。」
振り向くこともなくあたしはそう言って、その場を去った。
神様は、どうしてこんなにもイジワルなのだろう。
会いたかったあのときには、会わせてくれなかったのに。
今になって会うなんて...。
遼くん、あのときよりも少し大人っぽくなってた。
清風の制服ってかなりカッコイイしね。
絶対モテそー。
きっとあんなにかっこよかったら、彼女だっているでしょ。
まぁいーや。
もう今さら...。
あの時、遼くんが来なかったんだ。
きっとそれが本心だったんだ。
だったら、ちゃんと受け止めよう。
もう忘れたんだ。
今さら、心揺らがないよ...。