約束の恋
「そうだったんだ...。」
「うん...。だけど、もう忘れるって決めたの。」
そうだ。
あたしは決めたんだもん。
あの約束のクリスマスの日。
遼くんが来なかったとき。
もう何もかも忘れるって決めたんだ。
今さら再会したからって、心揺らがないよ。
揺らいじゃダメなんだよ...。
咲智は何も言わなかった。
賛成することも反対することも。
それが咲智なりの優しさ。
あたしはもう前に進むんだよ。
遼くんのことは忘れて。
前に進むの。
そう決めたんだから。