約束の恋
「多毅にぃ。ありがとぅ!
あたし、会いに行く。
会って、ちゃんと気持ち伝えてくる。」
「よし!それでこそ、希望だ!
思いっきりぶつかって来い。
ダメだったら、そのときはまたここに戻ってこればいい。」
多毅にぃ...
「うん!ありがとぅ!」
「早く行って来い!」
多毅にぃに背中を押されて、あたしは行くことを決めた。
時刻は3時を過ぎていた。
早く行かなきゃ!
ちゃんと言わないと。
心の奥底にある本当の気持ち、見ないフリするなんて出来ないんだから!
自転車があるのにも関わらず、あたしは走って海辺へ向かった。
余計なことなんて何一つ考えられなくて。
ただ無我夢中で走った。