天神学園高等部の奇怪な面々31
「御衣黄先生!」

雛菊の声で、ハッと我に返る。

気がつくと、数人の客が並んでいた。

「お抹茶と和菓子、注文に来てるよ」

「あ、ああ…申し訳ありません…少し考え事を…」

愛想笑いなど浮かべつつ、御衣黄は再び茶筅を手に取る。

らしくない姿だった。

心ここにあらずというか。

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