天神学園高等部の奇怪な面々31
「どしたの先生」

御衣黄の顔を覗き込む雛菊。

「いえ…何でもありませんよ」

もうその時には、御衣黄はいつもの微笑みを浮かべていた。

先程の様子は微塵も感じさせない。

しかし。

「御衣黄先生さぁ…」

雛菊の表情が、彼女らしからぬ真面目なものに変わる。

まるで洞察力を働かせるような、御衣黄の心の内を覗き込むかのような。

< 35 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop